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琉球風水レッスン

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バックナンバー
1: 風水の基本
2: 沖縄サミット編
3: 風水の歴史
4: 地形からみる風水
5: 住宅の形から見る風水
6: 住環境
7: 土地の活かし方
8: 建物の配置と門・塀・アプローチ・玄関
9: 風水を取り入れた間取りプランの考え方
10: 住宅の配置と門・玄関
11: 台所(キッチン) 
12: 床の間  
13: 風水とトイレの話
14: 仏壇と神棚
15: 浴室と風水
16: 引越しと屋敷祈願
17: 吹き抜け
18: 部屋からの眺め
19: 鬼 門
台所(キッチン)
1、台所に対する風水的意味

(1) 中国の考え方
 中国の風水では台所の配置は陽宅(住宅)の三要と言って門口や寝室などと共にかなり重要視されて来ました。

 特に火を使うカマド(現代ではガスや電気コンロ)によって食材を調理しますから、カマドの配置にはいろいろ気を使ったようです。 医食同源の発想を持つ中国人にとって、食はまさに薬と考えられます。 「カマドの火力」は食を通 じて中国人の健康に関ってきました。 中華料理は強い火力で短時間に火を通 すことにより、新鮮さを生かしながら食材本来のビタミンやミネラルを封じ込めたり変成させて体内に吸収させやすくしています。カマドの火は生命力の源となる氣エネルギーを食材に込めて料理と成し、人間はそれを食べることで氣を体内に吸収していきます。 氣を戴く食事は人間の肉体の栄養になるだけでなく、精神の栄養にも欠かせません。 バランスの取れた食事は健やかな心身の成長をもたらしますが、偏った食事やバランスの崩れた食生活は肉体と精神に悪影響を及ぼします。

 一方、調理場所が悪い環境にあれば、食材が腐ったり傷みやすくなるだけでなく、病原菌や害虫の温床にもなりますし、邪氣を食材に込めてしまいます。 また、炉やカマドは熱を発するだけでなく、住宅の酸素を燃焼させ二酸化炭素や一酸化炭素を含む煙をたくさん出すため、場合によっては一酸化中毒などの事故にもつながります。 カマドを住宅の中に持ち込む時には煙突をつけたり換気に注意し、場所を選ぶ必要がありました。
 さらに、土壁や木、竹で作られた昔の住居では、火のコントロールを誤ると火災の危険がありました。

 福建省には約300年前に風水によって建てられた客家の人たちが住む円楼の建物があり、今でも生活しています。 大きいものでは四階建てになっています。 台所は一階に配置されていて冬の寒い時期はここで煮炊きし、暖かくなると外にあるカマドで料理します。 台所の二階は穀物倉庫、三階、四階は寝室兼個室となっています。 こういう建物ではカマドの火口に風が入りすぎると大火となって危険ですし、湿気が多かったり風が入らなければ火付きが悪くなります。

 最初は地形や風向き、住宅の性能に合わせて安全なカマドの構造や位 置が決められたはずで、それは運がいいとか悪いとかというものではなく、当時のライフスタイルと一体となって生活のしやすさと安全性を考えて決定されたに違いありません。  その後、風水が普及し、いろいろな流派が乱立してくると風水師たちは森羅万象全てを「木・火・土・金・水」の五つの性質の関りによって解釈しようとする陰陽五行説や複雑な易の理論を駆使して我流や自説を作り上げて現代に至ったように考えられます。 易の思想によってカマドは家族の健康面 に影響を及ぼすと考えられ、コンロの位 置(炉位)と向き(炉向)によって、住宅の吉凶や家族の病気などを判断するようになったようです。

 しかし、台湾・香港では風水の流派がたくさんあり、流派によって判断結果 が異なるためキッチンの間取りを決定するのになかなか決め手になる方法がないのが現実です。
 カマドに関して調べていくうちに、風水には住宅設計にとって実際に役立つ考え方と風水思想をひねくりまわして頭で考えたとしか思えない非現実的な考えとの二つがあることに気づきます。
 実際、中国や台湾でも風水思想は17世紀の清国・康煕帝の頃あたりから次第に批判されるようになり、19世紀頃からアジアが欧米各国に侵略されると共に西洋文明が流入し、科学的な物の見方が広がって、現代に至っては風水思想を迷信と考える人も多くなっています。
 現代はシステムキッチンとして流し(シンク)とコンロが一体となっていますが、昔は流しとコンロは全く別 に置かれていました。 したがって、風水ではコンロが流しよりもより重要な意味を持ちますが、火と水を近くに配置する現代のライフスタイルではキッチンに対する風水の考え方も変化しつつあると言えます。

 余談になりますが、kitchenの語源はラテン語のcoquina(火を使うところ)という言葉で、西洋でもやはり「火」が重要であったことがうかがえます。

【中国での台所の吉凶】

1.玄関正面に台所があると家の内側が暴露されて良くない。

2.玄関や台所入口正面にコンロがあるとお金が出ていきやすい。

3.コンロまたは台所入口と便器が向かい合うと、健康や精神面 で悪影響が出やすい。

4.コンロまたは台所入口と寝室の入口が向かい合うと、肺や心臓、脚の病気にかかりやすい。

5.東方位の台所は吉。朝の陽射しを受け元気が出る。風通 しが良く湿気がこもりにくいだけでなく午後から夕方の陽が射さないので、涼しく食物が腐りにくい。東方位 にダイニングキッチンを作るとさらに良い。

6.南方位の台所も吉。風通しが良く湿気がこもりにくいだけでなく夕方の陽が射さないため、涼しく食物が腐りにくい。

7.青龍(住宅から見て左手方位)には井戸や台所は可だが、トイレは不可。白虎(住宅から見て右手方位 )には汚れた水やトイレも可。

8.玄関は旺氣(人体にとって良い氣)を取り込む方位 に配置し、衰氣(人体にとって悪い氣)の溜まる方位 には台所を配置する。旺氣方位や衰氣方位は住宅の座山と座向によって決定される。

9.家族の本命卦(生年月日、男女によって異なる)の凶方位 に台所を配置すると良い。

10.玄関に向かった対面式のコンロは凶(一部の流派)。

11.コンロが壁でなく窓を背にしているのは凶(一部の流派)。

12.コンロのつまみが南(火の象意)を向いていると火力が強くなりすぎて凶(信憑性が薄い)。

13.コンロのつまみが北(水の象意)を向いていると火力が弱くなって凶(信憑性が薄い)。

14.コンロのつまみの方位に関してはこと細かく解説している流派もある。

(2) 日本の家相
 日本の家相では台所の位置を考える際に北東の表鬼門や南西の裏鬼門をとにかく大凶として恐れすぎるため、住宅によっては不自然な間取りになってしまうケースもあるようです。 鬼門は風水発祥の中国ではあまり問題視されませんので、この家相の説もそのまま鵜呑みにはできません。

【日本での台所の吉凶】

1.北の台所は寒いだけでなく、水の方位に火気を置くのはよくない。小凶。

2.北東の台所は表鬼門にあたり火気や水物で汚すのは大凶。

3.東の台所は朝の新鮮な空気が入り吉。

4.東南の台所は元気になる方位で大吉。

5.南の台所は陽射しが強く火気があると物が腐りやすいので凶。

6.南西の台所は裏鬼門に当たり西日が入りやすく主婦にとっては大凶。

7.西の台所は西日が強く当たり夕方暑く、物が腐りやすいため小凶。

8.西北の台所は天門・神座にあたり凶(流派によっては小吉)。

(3) 琉球の風水

 沖縄では台所は土間になっていてカマドが置かれ、床を張った住宅とは別 々に作られた分棟型になっていました。 沖縄でも中国同様、昔からカマドは大切にして来ました。  カマド(コンロ)に火の神様をお祭りして家族の健康と繁栄を祈願する風習は現代でも受け継がれています。

 先日、今から約170年前に建てられた台湾の林安泰邸を見学してきました。 林家は清代に中国福建省から台湾に渡って来た資産家の一族で、この住宅はわざわざ福建省から資材を取り寄せて作られた伝統的な福建様式の建物となっています。

 ここのカマドに「ソウ神」と書かれたカマドの神様が祭られていました。「この神様は、ソウ王、ソウ君とも呼ばれ民間信仰の神様であり、誕生日は農暦8月3日。農暦12月24日には天に帰り、下界で自分が見聞きした出来事を天帝に御報告されます。世間ではこの日に先立って敬虔にして神様を祭って礼拝し、火の神様は天帝に家族の良い事だけを報告され、天帝からはよい報せを戴いていらっしゃいます。」と解説されていました。

 沖縄では旧暦の12月1日から23日までに拝みをする(12月23日にすることが多い)のが「御願解き(ウガンフドゥチ)」と言われ、この一年間の出来事を反省し、懺悔と神様の御加護への感謝の気持ちを祈願します。 この期間は罪や穢れを払い身も心も潔白にしておかなくてはなりません。
 12月24日になると「火の神祭(シディウガフーヌ御願)」をします。 この日は、七段ヌ天橋がかけられ、いよいよ火の神様が御天七役場、御天七宮に昇天していかれますので、感謝とお見送り、そしてお正月に福徳の神様と一緒に降りていらっしゃるのをお待ちする祈願をします。

 このように、沖縄と台湾はその昔福建省から渡って来た人が多いため、同じ様な信仰が残っています。 福建省が親で台湾と沖縄は兄弟であるとも言えそうです。
 沖縄では、女性の名前として「カマドゥ」、「カマド」、「カマ」などの名前がつけられたことがありましたが、このことからも、昔の人の生活にとって台所と竈の存在はとても大きなものだったに違いありません。

【沖縄での台所の吉凶】

1. 物を煮る時ナベの口を門に向けてはならない。煮物が門から逃げる。

2. 昔から台所は母屋の西に作り、カマドは台所の北側に配置する習慣がある。

2、日本の台所の起源と意義 
 縄文時代以前は洞穴に居住し、川端を炊事場としていたようです。 獲ってきた鹿や猪の肉はを作って火であぶって食べていました。 まだ、台所という形態にはなっていませんでした。

 縄文時代になると農耕も始まり、耕作地の近くに住宅や集落を構えるようになりました。  北方系の人たちは竪穴式住居に住み、、土器を用いるようになり、食料を貯蔵するための貯蔵穴や炊事や暖を取るための炉、片隅には竈も作られました。  南方系の人たちは高床式住居に住み、二階に囲炉裏を使って生活したようですが、竈や炊事場を別 棟に作ったりもしています。  この頃、まだ流しはありませんでしたが、料理を作るという台所としての原型が出来上がってきました。 竈の位 置によっては入って来る風で火事になったりしたかもしれません。 この頃から既に竈は入口の正面 に置かれずに隅に置くようになっています。 生活の知恵が風水思想となっていったと考えられます。

 平安時代になると寝殿と呼ばれる母屋の他に対屋を建てて渡り廊下でつないだ寝殿造りが登場しました。 この時、寝室と食事室は分離され、別 棟には炊事場や台盤所がありました。 この台盤所が現在の台所の語源ですが、この頃はまだ調理場としての機能ではなく、台盤(食物を盛った盤を載せる台)を置き、膳立てをするための部屋でした。

 鎌倉、室町時代にはそれまで仕切りの無かったオープン空間に、襖という間仕切りを用いるようになり、客間が作られました。 これは書院造と呼ばれていますが、台所は竈で煮炊きする土間空間と囲炉裏のある野菜や魚を調理する床上に分かれていました。 飲み水は水がめに汲んできて蓄え、洗い物は井戸端や近くの川や池を利用しました。

 台所に流しが登場するのは、桃山時代から江戸時代にかけてです。 土間に竹のスノコを並べた木製の流しでした。 台所で水を使うようになって初めて、排水や湿気対策が必要となったと思われます。 その時に風通 しや日当たりなどから、台所にとって良い方位 が経験的にわかってきたのではないでしょうか。

 明治30年以降から電気、ガス、水道が住宅に引かれるようになり、大正時代には西洋のキッチンをモデルにして「流し・調理台・ガス台」が一体化した文化台所が作られるようになりました。

 昭和20年代からは、ダイニングキッチンが推進され、それまで目下の女や使用人だけが働く差別 的な場所であった台所が家族の団欒の場になっていきました。

 昭和40年代からはシステムキッチンが登場し、機能的でインテリアとしても活用できるデザインや色柄、素材が開発されました。

 最近は、ダイニングとリビングが一体となった空間にいろいろな形でキッチンが関るようになって来ました。 換気扇も随分良くなって、空気もあまり汚れなくなってきましたので、対面 式やアイランド型など多種多様のキッチンが作られるようになりました。

 これからは、さらに個性的な住宅やコンピューター制御されたハイテク住宅、電磁調理器の登場などに合わせて、キッチンも多様化していくと考えられます。 それに伴って汚染された空気の排出や生ゴミの処理も進み、台所に対する風水の考え方も変わっていくに違いありません。

 
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